楽になるには"コツ"がある

広島県東広島市にある「すじと骨の けんびきや」のブログです。

【ひとりごと】うそはうそであると見抜ける人でないと(ry

 スパムやチェーンメール。偽情報。デマにフェイクニュース……。
 インターネットが発達して誰でも情報発信できるようになったおかげか、ことあるごとに出回っている。
 今回のコロナでもご多分に漏れず。これは収束するまで出回るだろう。
 不安だから引っかかる人の気持ちも分かる。けど普段から健康関連を謳う人たち(同業者など)まで踊らされるているのを見ると、モヤモヤする。
 なぜ拡散する前に調べないのか、と思う。目の前にあるデバイス(PCであったりスマホであったり)はなんなのかと。

 チェーンメール系のデマには文章に特徴がある。一番分かりやすいのが情報の出所がハッキリしないものだ。
 例えば少し前に流行った「お湯を飲めば予防できる」タイプ。
 僕が見たのは「他の人から回ってきました。同級生の甥で、修士課程を卒業し、深セン病院で仕事をしている人が、武漢新型肺炎の研究のために武漢に行っています。彼が今電話をかけてきて、友達に伝えるように言いました。」というヤツだ。

internet.watch.impress.co.jp

 まず「他の人から回ってきました」って誰からだよ。この時点で又聞きになる。
 更には「同級生の甥で~新型肺炎の研究のために武漢に行って」はいいとして、「彼が今電話をかけてきて」って、そんなほぼ他人から直接電話が来るのかよ。
 仮にこの「彼」が「同級生」としたらもっと文章がおかしい。
 他にも色々なパターンがあるらしく「医療機関に勤めている人」や「仲良しの友人のまた友人・アメリカのある看護師」とかもあるのだとか。
 こういう出所をやたらぼかすものは、拡散する前に信憑性を調べた方がいい。
 では逆に既存の組織や人名を使ったものは大丈夫なのかというと、そんなことはない。というか、出所が明記してあるものは調べやすいから尚のこと最初に確認すべきだ。

 そしてこういったチェーンメールはほぼ専門家が書いているわけではないので、色々と内容がおかしいこともある。上記のお湯を飲む系は「26~27度(37度、56度もある)」でコロナウイルスが死滅するらしいが、「26~27度」なら体内に入った時点で死滅してるだろう。
 あるいは「熱が出てもショウガ湯を飲んで体の熱エネルギーを増やせば感染を防げ、ワクチンもいりません」って熱が出てる時点で感染してるのでは?
 良く読めばツッコミ処が満載だ。少なくとも専門家の意見ではないと気づくはずだ。

 つい最近だど愛知県警のデマ拡散で有名になったヤツがある。「10秒息を止める」系のものだ。

genkimorizou.com

www.cnn.co.jp
 これは「スタンフォード病院」や「看護師のお友達」「日赤医療センタードクター」など、一瞬信じてしまいそうな名称が並ぶ。でも、実際その組織の誰なのかまでは分からない。
 これも情報の出所がハッキリしないものだ。

 内容もおかしな点はある。リンク先に専門家の反証も書いてあるので、余計な事は言わないけど一つだけ。
 「10秒息を止める」方法は台湾の専門家が言ってるそうだが、台湾では「必ず特異性肺の線維化になるわけではない」とテレビ番組で指摘されている。

fij.info
 仮に「10秒息を止める」方法が肺が繊維化しているかどうかのチェックたり得たとしても(CNNjp の記事では否定しているが)、台湾の〝専門家〟が「必ず特異性肺の線維化になるわけではない」と分かっているのにこれをチェック方法として公開するだろうか?
 また「注:新型コロナで悪化すると、肺胞の組織が繊維化して硬くなっていくようです」って、悪化した時点で咳と熱の症状って出るのでは? そして「症状が出て受診すると遅れるケースが多い」からこそのチェックなのでは?
 でもこのチェックで引っかかったらすでに肺が繊維化してる=コロナで悪化になるよね。これってやった人間が安心する以上の意味ってあるだろうか?

 なによりこのデマの怖いところは「新型コロナは症状がでなくてもキャリアになってる可能性」を無意識に否定できてしまうとこだ。
 これを拡散してる人のコメントに「(色々あって)コロナかと疑ったけど、咳がでなかったからコロナじゃなさそうだ」という趣旨のメッセージを読んだ時、正直なところ僕はゾッとした。
 咳が出ようが出まいが、肺が繊維化してようがしてまいが、コロナウイルスのキャリアである可能性はゼロではない。
 このチェックが例え正しいものであったとしても、自分がコロナウイルスのキャリアかどうかまで分からないのだ。
 大丈夫だったからマスクもしないで、外出しまくる……なんてバカはまずいないだろう。でもここを中継して広がることで、遠いところでバカな人が出てくるかもしれない。
 そうでなくても気の緩みを誘うかもしれない。

 もちろん拡散した場合、自分の先まで責任を取るなんてことは不可能だ。なにより、ネットの情報をどう扱うかは自己責任だ。
 でもね。健康関連を生業とする人たちは、せめてちゃんと調べようよ。少なくとも普通の人より〝専門家〟だと思うのなら情報を吟味してみようよと僕は思う。
 今回のような状況で、信憑性の低い情報を安易に拡散することを〝怖い〟と思わないのであれば、人の体に携わることは少し考えた方がいい。
 どれも検索をかければ出てくる情報だ。論文をあさる必要はまったくない。その情報を元に吟味することはできる。
 当然、情報ってのは常に更新されるから必ずしも最新のものが正しいとは限らない。けど、それなら改めて訂正すればいい。
 それが言葉に責任を持つということだと僕は考えている。

 逆に言えば、今回のコロナ騒動は試金石になるかもしれない。
 自分の良く行くお店の人がこの手のチェーンメールを平然と拡散しているようであれば、その人に体を預けるかどうか一度考えてみた方がいい。
 よほどその人を〝信頼〟しているのなら別だけど。

 今の状況は本当に色々と考えさせられる。

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