【ひとりごと】信頼と誠実と
4月と言えば新年度ということもあって、転勤や転職・進学などで馴染みの人がいなくなる……なんてのが多い季節だ。
いきつけのガソリンスタンドでもそうだった。お世話になった社員さんがいなくなっていた。
そのガソリンスタンドはけっこう大きな会社が経営しているトコで、県内にいくつも店を持っている。だから配置換えも多いのだが、その人はけっこう長い間いた人でホント良くしてもらった。
というか、人柄も良く僕はその人を信頼していた。
だが新たに配属された年配の社員さんは、残念ながら「信頼に値する人ではない」という評価を僕は持った。
いきなり他人を。それも初対面の人間を〝評価〟だの、お前は何様だ? そんな声もあるだろう。
けど「コロナ対策でエアコンフィルターの点検をやってます」なんてク○みたいなセールストークをカマしてくるような人間を、僕は信頼しようとは思わない。
不安を煽って誘導するなんてのは、フィッシング詐欺だけで十分だ。なによりこの時期に不安を利用して便乗しようという考えが理解できない。若者の危機感の薄さが問題になっているが、年寄りにも危機感のない人はいるらしい。
ところで〝信頼〟という言葉をみなさんはどんな風に理解しているだろうか?
ネットで調べれば『信じて頼ること』や『ある人や物を高く評価して、すべて任せられるという気持ちをいだくこと』などが出てくる。(いずれも『コトバンク』より)
要は「この人になら任せても大丈夫」と信じることなんだけど、〝信頼〟にはもう一つ条件があると僕は思っている。
それは、任せた結果「何が起こってもこの人がしたことなら仕方がない」と思えること。もしくは例え失敗したとしても「次もこの人に任せよう」と思えること。つまり、それくらいその人を信じていること、が条件だと。
これは「盲信」や「洗脳」の類のことを言っているのではない。まぁ、そこまで曲解してくる人はいないとは思うけど。
そしてどの業界にも言えることだが、お客さんに〝信頼〟してもらうことが大事なのだと考えている。
では療術という業界で言う〝信頼〟するとはどういうことだろう。
そのお店の口コミの評判を見て「ここなら(自分の症状は)改善する」と思えることだろうか?
もしくはそのお店改善例の数を見て「これだけ改善例が多いのだから腕は確かだ」と思うことだろうか?
僕は違うと考えている。それらはみな〝期待〟であって〝信頼〟ではない。
仮にこれらを信頼していると言うのなら、信頼しているのは「口コミ」であり「改善例(の数)」だ。あるいは技術を信頼するという考え方もあるだろう。良い口コミが多いのも、多数の改善例があるのも「高い技術があるからだ」と。
だがそう思って来店した結果、思うような結果が得られないかった場合に「また来よう」とか「この人に任せよう」と思うだろうか? 普通は思わない。
それでもなお「また来よう」とか「この人に任せよう」と思ったとすればそれは上記した以外の要素を〝信頼〟したからではないだろうか?
その要素とは何か? 僕は施術をする〝人間〟だと考えている。
結局のところ信頼するのは「口コミ」でも「改善例の数」でも「技術」でもなく〝人〟そのものなのだと。
だからと言って技術的な向上を疎かにしていいとは思っていない。僕は言葉は悪いが「どんな人間も黙らせられるだけの施術」を目指して精進している。そして、僕は施術を通して語りたいと常々思っているのだ。
それでもやはり〝信頼〟するのは技術より〝人間〟そのものだと思う。
「じゃあお前は信頼して貰えるような人間なのか?」と言われれば、黙るしかない。
僕は聖人君子じゃない。モラルのないお客さんにはウンザリするし、「俺は金を払っているんだぞ」みたいなお客なら断ることだってある。だってウチの店の料金は施術に対しての技術料であって、接待込みの料金ではない。そもそも接待のサービスはしていない。
ただそんな僕でも、お客さんに対して誠実であろうとはしている。そして誠実であることが信頼を得る方法の一つだと信じている。
例えば僕は、初見のお客さんには必ず「整体なので保険は使えない」と伝えている。何を当たり前のことを……と思う人もいるだろう、でも実際に問い合わせの時に「保険は使えますか?」と聞いてくる人は案外多い。
他にも『あるあるだけど、アルアルじゃない。』にも書いたように、電話やメールなどの問い合わせに対し症状名を聞いただけで改善できるかどうかを安易に回答しない。「今まで○○(五十肩など)で来られた方は改善しています」とは言うが、結局は「実際に触って(施術をして)みないと分かりません」と伝えている。
それは自信がないのではなく、実際にお客さんの体に触ることなく症状(診断名)だけで判断してしまうことが最善であるとは考えていないからだ。
更にはウチは『○引き療法』と『讃岐骨法』を提供(※2020年9月より讃岐骨法」を軸として補助で「手技による筋肉の調整」を提供)しており、『○引き療法』で調べて問い合わせてくるお客さんもいる。
そういう人には必ず「現在『○引き療法』のみでの施術はしておらず、『讃岐骨法』と合わせて施術をしている。それでもいいですか?」と訊くようにしている。また同じく『○引き療法』で調べて問い合わせて来た人で、ウチよりも近い場所で『○引き療法』を受けられる場所があればそこを勧めるようにしている。
こんな事を書くと「お客に来て欲しくなさそう」なんて思う人もいるかもしれない。あるいは「自分のお店の利益になるんだからとにかく来てもらえばいいじゃないか」と言う人もいるだろう。
実際、上記の内容を伝えたことで予約をして貰えなかったお客さんも、それなりにいる。
けど、いずれの場合もちゃんと伝えずに勘違いしたまま来店することで、お客さんは不利益を被っているかもしれないのだ。ならしっかり伝えないとダメだろう。コロナに便乗したガソリンスタンド店員のように、目先の利益につられてとにかく来店させるなんてことはしたくない。
もちろん伝えた上で、ウチで施術を受けたいと言ってくれるのなら僕は喜んで受け入れる。
僕は決して褒められた人間ではない。不器用だし頑固だ。僕の持つこだわりの中には、経営に邪魔なもだってあるだろう。
でも、施術だけでなく問い合わせでもお客さんに誠実に対応することで自分という人間を少しでも知って貰えればと思う。
それが人と向き合うことであり、信頼への一歩だと僕は考えている。
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